先日から『がれ喫茶 猫鯖』にお邪魔して基本塗装したりしてたクルシマのスク水綾波が完成しまったヽ(`Д´)ノ
光沢調整とかマンガミュージアムまでムッシュBOME展観に行ったりとかPS3でアンチャーテッドやったりとかしてたら遅くなっちゃった。
今回も画像は全部クリックで拡大ですよ。
原型製作は片山博喜さん。もう今さら説明するまでもないぐらい有名なキットですな。いろんなところで白スク水だったり魔改造されたり作例があがってます。ひょっとすると最も作例画像の多いフィギュアの一つかも。
それだけに市場には行き届いた感が強いのか神戸のトレフェスで3000円という破格の値段で購入できまった。
実際これを上回るスク水キットは今をもってなお見あたらないぐらいステキな完成度だと思うです。
そんななので空条さんもいつの日にか必ず挑戦したいとずっと前から思ってたんですが、スク水と同時にこのキットの見せ場である透け塗装の精神的ハードルが高くてどうするか迷っていたりもしつつ。
その苦労の跡がこんな感じ。
マスキングゾルを使わず細吹きだけでここへ至るまでに優に8時間ぐらいかかったかしら。あんまりぶっ通しでやってるもんでがれ喫茶の店主さんにもちょっと呆れられた。
うん自分でも呆れる。
今回は以前のスク水いいんちょで試した「光沢のグラデーション」と「クリアタルゲルによる水滴表現」を更に突き詰めてみたよ。
いいんちょの時はただ爪楊枝でゲルをちょんちょんと乗っけてるだけって感じだったんですが、今回は水で濃度を調整しながら雫の部分と滴りの部分の差をより意識してます。
fgで兎鳥人さんがやってらした新スク水の滴りにエナメルのクリアを用いた表現が興味深かったのでそれも参考にしたりしてます。
ってもこっちはエナメルは使わず全てゲルですし、伸びなどの総合的ハンドリング性やヒケのなさを考えたらきっとエナメルの方が滴り表現には向いてるんですが。
ゲルの水滴は肌はもちろん肘や髪の毛先、手元のシャツがたるんでいるところなどあちこちにつけてます。シャツの谷間は水気をより多く含んでいると考え、そこには水で薄めたゲルを面相筆で塗りました。そういえば今回のゲル盛りは爪楊枝ではなく全て面相筆で。
原液そのままでも結構ヒケちゃうんで一度ではなかなか思ったようなボリュームが得られず、欲しい大きさになるまで乾かしては盛っての繰り返し。
ヒケまで考慮して若干オーバースケール気味に盛ってやるといいと思います。ただ一段目から大きくするとのっぺりして「若い肌が水を弾いている」感が出にくいので、最初は土台のつもりで小さく、その後はゲルの表面張力を利用して大きめに、それも一段目に「塗り重ねる」のではなく「乗せる」つもりでやるといいかと。
持ってる人はわかると思うんですがこのキット、顔の面構成は彫りも深くかなりクセが強いほうで「これちゃんと綾波の顔になるのかなあ…」と心配になるんですが、いざ顔を描き込んでみるとちゃんと綾波に見えるからすごい。
顔描きには今回もガイアノーツのフィニッシュマスターが役に立ちました。って言っても実際に使ってるのはB-FieldのOEM製品ですが。50個で1300円とか安すぎ。
ベースにもゲルで水たまりを作ってみたんだけど写真だとわかりにくいうえにあまり狙ったような効果が出なかった。ここは同じアクリル水彩用メディウムでもジェルメディウムの方がよかったかもしんない。持ってないし使ったこともないけど。
シャツのシワの稜線でここはくっきり白く出したいと思った箇所やスク水と肌の境界線ぼかしはフィニッシャーズのファンデーションホワイトでドライブラシ気味に筆塗り。
このへんとか腰回りの水はけの悪さがうまく表現できた気がするよ。
パーツの嵌合そのものは完璧だったんだけど組んでみたら左足首が浮いちゃった。
もともと重心がかなり前寄りなんでベースの手前側にスペーサー噛ませて少し後ろへ傾けてます。
写真では絶妙に隠してますが、この重心のおかげで仮撮影中にすっ転がって脚の接着が剥がれた拍子に付け根の塗膜がちょっとやられちゃった(つД`)
背中側のシャツの裾はもう少し白くした方がよかったかと思ってたけど撮影してみたらこれはこれでいいね。
アレだ、よそ様の作例よりもっとぐっしょり濡れてるってことでひとつ。
今回の光沢グラデはまず各パーツにクレオスのUVカットスーパークリア缶スプレーをボタつく直前ぐらいまでがっつり吹き付け、その後フィニッシャーズのスーパーフラットコートで好みの調子になるまでつや消し、というのが大まかな手順。
水濡れ表現なんでボタつく手前ぐらいまで派手に吹き付けて平滑な面を出した方がそれっぽくなるかと思って。
スーパーフラットコートは今回初めて使ってみたけど実に素性のいいものでした。高いだけあるね。
そういえばキット状態では抜きの問題からか(なにせ顔と後ろ髪が一体成形という漢気溢れるパーツ構成…)後ろ髪のディテールが前髪の緻密さに比べてややあっさり目に感じたので、カッター・彫刻刀・ヤスリで不自然にならない程度に削りこみディテールアップしてます。
明部をピンク系、暗部をオレンジ系で塗る手法はるーこの時にもやってましたが、綾波はるーこに輪をかけて色白。
でも透け塗装にはある程度の肌色は必要。
ってことで透け部分での肌を際立たせるため明部と暗部でかなり色相をずらしました。
夏のハイコントラストの陽射しもちょっとイメージしていたり。
実際に水に濡れたシャツから透ける肌は色相と彩度そのまま明度だけ上がるんですがまあそこはそれ。
股間の水滴は塗装スタート前から絶対にやると決めてたヽ(`Д´)ノ
これだけで5回ぐらい盛り重ねてます。
…とまあそんなわけで自身2体目のスク水キット、そして初の透け塗装の完成とあいなりまった。
やっぱり塗装で勝負の部分が大きかったなあというのが率直な感想。雪歩の時にも言ったけど今の自分のスキルより少し上の何かを要求されるキットに挑んでいくのは楽しいもんであるます。一発で思うようにいかないままならなさも含めて。
あとモールドが深い箇所が多いうえに古いキットだからか、離型剤落としはポリデントだけではだいぶ不完全でした。具体的にはマスキングテープに白目を持ってかれまった(つД`)
イベントで買ってきてすぐのキットならポリデントでも充分なんだと思うんで、現時点では「条件つきで有効」ってとこですかのう。いちおう念のため中性洗剤とクレンザーでも磨いてたつもりなんだけどそれでもダメだったからよっぽどのことなのかも知れない。
それにしても今回はホントに『がれ喫茶 猫鯖』のおかげで完成させられたようなもんです。今までみたいな玄関先での塗装では細吹きの透け塗装なんて絶対に無理だったもん。
また必ずお邪魔しますんでその時はどうぞよしなに。
最後は我が家のご神体を敷いて。
頭がおかしいって?失敬な。
ちゃんと濡らしてから敷いてますよ。